ONE(Ocean Network Express)のコンテナ船をプラモデルで作る

前回のエントリーで触れたとおり、テレビで巨大コンテナ船の仕事ぶりを紹介するドキュメンタリー番組を視聴し感激。更に自分勝手に掘り下げることでインターモーダル輸送のカッコ良さに刺激された僕は、昨今の物流業界で最もCOOLな企業と思っているONE(Ocean Network Express)に注目している。

参考エントリー :日曜ビッグバラエティ 日本→欧州20000km“巨大コンテナ船に乗せてもらいました!を観たよ

このドキュメンタリーに登場するアドニス号はONEの所属船で、IHI製造のAクラス9600TEU型の1番船とされる。

これをプラモデルで作ってみたくなったのであるが、市場に出回っているコンテナ船のプラモデルはドイツレベル製の1/700「コロンボエキスプレス」のみであった。

本船はコロンボエキスプレス級で、アドニス号とは全く異なるクラスとなるのだが、素人目線からすると船体が似ているし、船橋(地名の「ふなばし」じゃない)だけチョイチョイいじればアドニス号になるのでは?と思い、購入したのだ。
しかし、地味に船橋の改造が面倒なことに気付いたことと、前回のエントリーにあるとおり、ONEコンテナ船の強烈なビジュアルにやられてしまい、即席でお手軽にONEコンテナ船を作ろうと方針転換した。




資料はネットの画像検索(ONE・コンテナ船等のワードで)で拾える画像のみ。キットの改造は一切無し。当然、完成度は低く、スケールモデルとしての正確性も皆無。『ONEへの情熱が冷めないうちに 巨大な船体をマゼンダ色で塗りたくり、ONEのデカールを貼って悦に浸りてぇ』というのがコンセプトだ。

だから、ONEコンテナ船の実物でグレーに見える部分は成型色のグレーのままだ。例えば、上甲板(っていうの?)とかコンテナとか。まぁコンテナぐらいは後々気が向いたらチマチマ塗ってやろうと思う。
むしろグレー部を塗らないことで ONEのCIカラーと奇跡のマッチングを起こしているし、プラスチックの素材色がコンテナの無機質な雰囲気を醸し出しているような感じがしなくもない。

とにかく、俺の『ONE』を見てくれ。適当に作ったわりになかなかいいでしょう?

このキット、船体自体は左右を貼り合わせるトラディショナルな構成なのだが、船橋は板状のパーツをハメ合わせ、積み重ねる構成となっている。これまで艦船模型というと軍用艦しか作ったことがないのでこの感覚は新鮮だ。強いて言えば童友社あたりの日本のお城キットの本丸を組む感触に近い。

船橋のパーツは割と多めだが、ほぼストレスなくサクサク組めて、ストレートに組んでもご覧のとおりなかなかの精密感だ。コンテナ船は全体的にノッペリとしているので、ここだけは塗装を頑張ってアクセントとしたい。全体をラッカーで白く塗った後で、デッキ部の緑をエナメルか水性アクリル塗料でチマチマ塗って、はみ出た部分やデッキ上の突起等は爪楊枝とかで削るとそこそこキレイに出来上がる。

船首のアップ。ここを見ると「コイツ・・・塗装してないぞ!!」となるだろう。スミ入れすらも面倒だった。ちなみにこのキット、船首上甲板の合いが鮮烈で、灰色のリブが斜めにそそり立つマゼンダ色の壁面にピタリと納まる。素敵だ。

よく見るとファンネル(煙突?排気口?のことね)のマスキングが失敗して、ちょいちょいマゼンダがはみ出している・・・が、全体を見渡すとどうでもよくなる。恐らく世界広しといえど、今、ONEコンテナ船のプラモデルを持っているのは自分だけ・・・という根拠無き満足感は無敵である(2019年1月現在だ)。

ところで、肝心要であるONEの文字は外注でデカールを作ってもらった。原稿料込々で2000円ちょいと格安且つ良心的であった。若干隠ぺい力が低いデカールだが、2枚重ねればOKだ。
「ONE」の文字を再現するにあたり、CIデザインを計測した結果、「ONE」の文字は単純明快そうに見えて実に緻密なデザインに基づいていることが分かった。O、E、N全てフォントの大きさが微妙に異なっており、特に「E」の文字は間延びしないように幅がチューニングされている。
そして更にここで書き添えたいのは、CIデザインと実際のコンテナ船に大描きされるONEの文字も微妙に比率が違うように見えることだ。 確かにCIデザインそのままの比率で模型に落とし込んでもなんか微妙に見えるのだ。

いや、実物の船舶のONEフォントもCIデザインと同じ比率で構成されているかもしれない。でも、模型として再現する場合はやっぱりちょっと違う。面倒だから細かく記述しないけど、例えばフォント間の間隔などを微妙に広げたり等の微調整を施している。
(拘りに拘ったが、よくよくみると「N」はもうひと頑張り必要だったかもしれん)

さて、ここでコンテナの組み立てについて語っておきたい。ブロックにすると23個。取説でいうと21番から39番。これは正直辛かった。ここではこれを乗り切る術を書いておきたい。組みたくなければ放置もOKだが、コンテナ船の模型でコンテナを作らないのは、ちょっとアレだろう?やっぱコンテナ載ると全然カッコいい!!インターモーダルだぜ!!




説明書どおりに組んでいった場合、船尾のコンテナから組んでいく工程となる。最初の1/3、つまり船橋直後の25番のコンテナ(これはこのキットを持っている人にしか分からない表現だ)までは割と楽しく組める。「おっ!この程度じゃん?!」みたいな。しかし船橋を超えた26番から30番は修行だ。そこで、お気に入り且つ何度も見ていて内容が頭に入っている映画をバックグラウンドで流して乗り切る作戦に出る。

初めて見る映画だとそちらに集中してしまうし、音楽だけでは目が休まらない。
内容を熟知していて、時々見ると目が休まる、自分が好きな作品がいいと思う。
ちなみに、洋画の場合は日本語吹き替えにすることを推奨する。(字幕に集中しちゃうから)

自分の場合は「あの頃ペニー・レインと」と「インターステラー」である。なぜ、2本もあるかというと、全コンテナの組み立てに5時間を要したからだ。

集中しないで済む映画と言いつつ、「ペニー・レイン」ではウィリアムとレスターとの深夜の電話でのやり取りに心が奪われてしまうし、「インターステラー」ではマン博士の惑星軌道上での エンデュランスとランダーとのドッキングに熱くなってしまうワケだが。

さて、いよいよ終盤。31番(積載順は若干前後するが・・・)から船首のコンテナだ。ここまで来ると、モデラーズ・ハイに至り、あと何個でも組めるような心地よい感覚に陥る。

嘘だ。

実際は疲労困憊で半泣きだ。

ここでお気に入りの映画に救われた。飽きずに組めたのだ。
そう、映画を観つつチマチマ組んでいると・・・なんとうことでしょう!いつの間にかコンテナ満載でインターモーダルフルなONEコンテナ船の爆誕である。
深夜0時頃から始めたコンテナ製作は5時間ちょっとを要して完了した。
テレビにはインターステラ―のエンドロールが流れ、カーテンを開けると、東の空が薄っすらと明るくなっていた。

お気づきだろうか?コンテナ製作は確かに苦行ではあるが、これをある種のイベントだと考えるとなかなか楽しいものであるということに。
ディズニーランドのアトラクション待ちも、連休に発生する高速道路の大渋滞も、そういうイベントだと考え、色々準備しておくと楽しいのと一緒だ。

お気に入りの映画と、好きなお酒(ウィスキーが良いだろう)、適当な乾きものを用意して、深夜0時から作業開始。単純作業で簡単だから酩酊しなければ失敗もない。適当に映画を見てお酒をチビチビやりながら取り組む・・・つまり映画鑑賞の合間にコンテナ組みまっせが丁度いい具合だ。普通なら速攻で組み終わりたいところをチンタラながら作業に変換することで楽しくするという具合なのだ。映画はBGM替わりといいつつ、結果的に逆転していると今更ながらに気付いた。言うなれば、バック・グラウンド・モデリング・・・コイツも『BGM』なのである。

これを完成させるために要した延べ工作時間は約9時間。約2/3の時間をコンテナ製作に費やした。

この製作時間が適正かどうかは分からないが、この完成度と満足度、自己評価としては最高である。ONEへの情熱が熱々のうちに完成させるというミッションは成功に終わった。

ここまで書いて気付いたが、 ONEコンテナ船の魅力を語る前に、コンテナ組み立て指南でこのエントリーがほとんど終わってしまった。まぁこの結果もイエス!!だ。



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