オムツで人は強くなれる。大人用オムツ・アテントと逢った日

2019年1月1日未明、

肛門に激しく熱いマグマを感じて僕は目覚めた。

寝起きにも関わらず、瞬間的にマグマの正体を悟る。
これ以上の被害拡大を防ぐべくお尻を水平に保ちつつ、アヒルのようにヨチヨチ歩いてトイレに向かった。

要するに、ウンコを漏らしたのだ。
2019年1月1日、よりによって元日に、平成が終わるこの年に、齢40歳半ばにして、である。




トイレで半裸なり、お尻をキレイに拭きあげる。
ホッとすると共に疑問が生じた。「何故ウンコを・・・しかも元旦から・・・」
だが、疑問はすぐに解ける。寝起きのせいだと思っていたダルさに、悪寒もトッピング。
更にまたもや急激に便意を催し、便座に腰を下ろすと同時に、小便のような勢いで下痢便がシャーッ!!と、飛び出したのである。
どうやら、酷い風邪か食あたりかになったらしい。

その後、諸々体調と症状とを確認したところ、ノロウイルスほどの重症ではないが、どうやら食あたりのようだ。
家族で罹ったのは自分だけなのが幸いであった。

先のウンコ漏洩は寝巻きまでで食い止められ、布団までは汚染されずに済んだ。
しかしながら、賢い妻は「オムツを履きましょう」と言うのだ。
「漏らさなければどうということはない(キリッ)」と返すも、元日早々から開店しているドラッグストアを探し当てて大人用オムツ「アテント」を買ってきてしまった妻は引き下がらない。

人生の終焉がそう遠くないことをおぼろげに意識しつつ、そっとアテントに足を通す。
オムツを身につけるなど、物心がついてから初の経験だ。人間は老いると子供に戻っていくという話を己のこととして実感した瞬間だ。
それにしても肌触りがモサモサして非常に気持ち悪い・・・と、感じるのはホンの一瞬だ。非常にストレッチが効いているから、体温が伝わるとすぐに肌に馴染み、オヤ?となる。普通の下着以上に快適なのだ。清々しいフィット感は背筋をシャンとさせ、鏡に映るオムツ姿の自分を誇らしくさえ感じる。きっと妻の母性本能をもくすぐったに違いない。「案外悪くないじゃん」というコメントを頂戴した。

そして、気が緩だのだろう。アテント着用後、ものの数分で脱糞。だが、「さすがアテントだ、なんともないぜ!」である。
その後、病院への道すがらでもアテントは僕を助けてくれた。アテントへの信頼は果てしなく増すばかりなのだ。

病院での診察の結果、原因不明ながら、やはり食あたりと診断され、処方された薬のお蔭もあり、2日ほどで回復した。




結果的にアテントは使い切れずに残ってしまった。
あの絶大なる安心感と信頼感、そして恐るべきフィット感を忘れられない僕は、普段の下着をアテントにしたいと考えた。
電車通勤している僕にとって、電車内で不意に訪れる便意は生まれてきたことを後悔するほどの恐怖だ。しかし、アテントと一緒ならどこまでも行ける、1回ぐらいは耐えられる、僕は強くなれる・・・そう確信したのだ。

これを聞いた妻は「終わるよ?」と冷ややかに言い捨てると、余ったアテントをメルカリに出品する準備にかかった。
「終わる」の主語は無かったが、僕には「何」が終わるのか明確に分かっていた。終わっても構わないとも思っていた。しかし、僕は貫くことが出来なかった。

こうして、僕とアテントとの蜜月はあっけなく幕を閉じた。

近日中に「アテント開封済み」といったタイトルでメルカリに出品される予定だ。無論、封が開いているのみで未使用品である。気になる方は覗いてみて欲しい。そして願わくば僕が感じた・・・そう、アーマードバルキリーやフルアーマーガンダムを与えられたパイロットのような「一発ぐらい当たっても平気」な気分を味わって欲しい。

いつか、再会するその日まで。GOOD LUCK、アテント。



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