ヤンキーやアウトローな人が怖い。
中高学生時代、僕はパシリ要員であった。
アウトローでヤンチャなご学友(ヤンキー)グループに(表向き)忠誠を誓い、授業のノートを貸し、アンパンやハムカツを買いに西へ東へと走る大活躍をしていたのだ。
その代わり、他のヤンチャご学友グループからなんとなく守ってもらう・・・現代社会的にいえば核の傘に入っているような状態であった。
アメリカと日本との関係とか、安保理等というモノの内容はボンヤリとしか分からないが、DNAレベルというか、肌感覚だかで理解しているのはその為だ。
勉強も運動もルックスも人間性もイマイチな僕にとっては、これが当時考えられる最高の処世術だった。
今や、生まれ育った地元を脱し、アウトローな方々とは極力関わらぬ生活をしているが、いまだに町でオラついた御人を見ると、変な汗が吹き出し、動悸が激しくなるのはその後遺症である。
さて、先日友人からホットウィールのミニカーを頂戴した。
2台ともクラシカルなポルシェ356であるが、オリジナルではなく、かなりカスタムされた状態でミニカー化されており、なかなかカッコいい。
そして、トミカサイズながらディティールも細かく、良く出来ており、すっかり気に入ってしまった。
それにしても、ミニカーとはいえ貴重な356でもカスタムしてしまうカルチャーがアメリカにあるのかしら?とググってみたら、マグナス・ウォーカーなる人物のサイトに辿り着いた。この方、どうみてもヒッピーにしか見えないのだが、不動産事業で一財を築き上げたビジネスマンで、今や世界的に有名なポルシェ911コレクターだともいう。
彼の911は、オリジナル原理主義者が多いと思われる911ファンが顔をしかめるようなカスタムを施され、ガンガン乗り回されているらしい。高価なポルシェであろうが、普段着のように扱う行為自体は粋に感じるが、カスタムの方向性は、僕もちょっと・・・である。
マグナス・ウォーカー氏は自身のスタイルを『アーバン・アウトロー』(URBAN・OUTLAW)と称しており、「アーバン」という単語もさることながら、自ら「アウトロー」を名乗ることに失笑してしまったのだが、色々と調べてみると、かの地ではポルシェをカスタムする行為自体、或いはカスタムされたポルシェを「アウトロー」と呼ぶらしい。
先のシルバーのミニカーのボディサイドをよく見て欲しい。なんと「OUTLAW」と堂々と書いてあるではないか!?(よく見るとフロントフェンダーにマグナス・ウォーカー氏の「URBAN・OUTLAW」のステッカーも!!)ここまでくると既に「OUTLAW」は確立されたジャンルなのかもしれない。
改造ポルシェを「無法者(OUTLAW)」と呼ぶのであれば、オリジナルコンディションのポルシェは「体制側」そして「原理主義者」と呼んでもいいだろう。
ここまで理解が進むと、オリジナル志向に中指をおっ立てて改造してしまうマグナス・ウォーカー氏になんとなく親しみが湧いてきた。僕も・・・いや、俺もOUTLAWになりたい。
だが、ポルシェは買えん・・・
そこで、パッケージから出すことすら許さんとする原理主義者が存在するらしいホットウィール製のミニカーを改造してしまうという神をも恐れる行為に手を染めることにした。そう、これもOUTLAWだ。
妻が「お願い、止めて!!(部屋が散らかるから)」と泣き叫んでも無駄だ。
いずれ、俺がどれほど悪い男かを見せてやる。
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