『テオ・ヤンセン展 IN アクアマリンふくしま2018』に行ってきた

先月のゴールデンウィークに、福島県いわき市にある水族館『アクアマリンふくしま』内で開催されていた『テオ・ヤンセン展』に行ってきた。

オランダの芸術家テオ・ヤンセン氏のキネティックアート、風や空気を動力とする人工生命体「ストランドビースト」の魅力については、既にネット上に溢れているので、僕はここで書かない。

それにしても、これまで、書籍やYOUTUBE等で散々ストランドビーストを目にしていたにも関わらず、実物との出会いはやはり感動的だ。




実物をじっくり観察し、その手で触れ、動く様を鑑賞できる・・・素晴らしい企画展であった。
ビーストは加工を施された樹脂パイプを無数のインシュロック等で固定することに因って構成されており、間近で見るそれは生々しい手作り感に溢れていた。それでいて離れて見れば整然と美しく、動き出せば生命体の如く・・・すっかり僕は魅了された。

そもそもプラモデル制作が趣味の僕が、このような樹脂で構成された巨大立体作品に心奪われてしまうのは当然なのである。

そして、僕のような人間を狙撃するが如く、テオ・ヤンセン展グッズ売り場には「ミニ・ビースト」なる小さなストランドビーストのプラモデルが置かれていた。(これをプラモデルと定義していいのか悩むが、ここは便宜上プラモデルとする)
しかも、ただのプラモデルではなく、組み上げると実物同様に風を動力源とし、動くのだ。
これは買うしかないだろう・・・1万円ほど投入し、全種類コンプリートしてやった。

そして組んだ姿がこれだ。動かせば面白く、飽きたらインテリアとして飾っておくだけでも様になる。



また、このミニ・ビースト達を組み立てる経験が素晴らしかったことを記しておきたい。
通常、僕がプラモデルを組む際は組み立て説明書どおりに進めることは稀だ。
モチーフとされる実物に少しでも近づけるように心血を注がなければ気が済まぬ。
その為、塗装工程等を考慮し組み立て順番を組み替える、省略された部品を再現する、埃がつかぬよう神経を擦り減らして美しく塗装する・・・ある程度の経験、スキルが要求される作業に挑まなくてはならない。これを趣味と言える人間は、ある意味ドMだ。

ミニ・ビーストの組み立て工程にはそのような煩わしさは一切ない。頭を空っぽにし、ランナーから部品を切り出し、組み立て説明書どおりにひたすら組み立てに専念すればいい。
本物のストランドビーストは素材である樹脂の色がむき出しなのだから、色も塗らない。塗らないのが正解・・・って、どこまでも『正解』を求めしてしまう、卑屈なモデラ―根性が抜けない、この悲しさよ・・・

とにかく、プラモデルをただただひたすら組み立てることが楽しかった、幸せな子供時代の記憶が呼び起こされたんだ。
夢中になってプラモデルを組んでいると「もう晩御ゴハンよ〜!早く降りてきなさい」ってママの優しい声が聞こえた気がした。

たまにはアラフォーのオッサンが子供のように振舞ってもいいだろう?

これまで、全身全霊をかけてプラモデルと対峙してきた、お疲れ気味のモデラ―さんにお勧めしたい逸品だ。



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