Panasonic ビストロ NE-BS1300の憂鬱

最新のポルシェ911ターボを所有していながら、近所のスーパーへの買い物での往復にしか使っていないとしたらどうだろうか。
きっと、多くの方は「勿体ない」とか「そんなの軽自動車でいいじゃん」となるだろう。

我が家にはそんな不遇な扱いを受ける家電がある。

1年ほど前(2017年1月頃)に購入したハイテク電子レンジ『Panasonic ビストロ NE-BS1300』である。

当時のビストロシリーズではフラッグシップとされるモデルだ。(2018年1月現在のフラッグシップモデルはNE-BS1400)

「どうせゴハンの温めにしか使わないんだから、アイリス〇〇ヤマとかでいいよ」という僕の主張を完全に無視し、某家電量販店の営業氏と結託した愛妻(いや悪妻だ!)に買わされたのである。

先の発言に対する営業氏の「高級レンジだと、ただのゴハン温めでもレベルが違いますよ」とのヒトコトも僕の背中を押した。

さて、我が家に迎えられたビストロNE-BS1300を1年使った感想だが・・・
ゴハンの温めに関しては、ビストロの前任機であった・・・12年間を共にした僕が独身時代に深夜のドン・キホーテで購入した1万円の日立製電子レンジと大差は無い、とは言いすぎかもしれないが、冷凍ゴハンがムラなく一発で温まるのが素晴らしい程度で、味が格段に美味くなるなんてことはなかった。
(ムラなく一発で・・・ってだけで凄いのかもしれないが)

ビストロで作る料理はどうだろうか・・・購入直後はビストロに付属するレシピ本で妻は色々と作ったものだ。餃子等は油を使わずに焼き上げるので、サッパリして美味かった記憶がある。
しかしながら、危惧していた通り1年経過した今や『冷凍ゴハン温めマシーン』と化しており、優秀な国立大を出ながらフリーターみたいな日々を送っている。

10万円もの大枚を叩いてこれである。
(ジェンダーフリーの旗印の下、「だったらお前が使えよ」とご忠告下さる奇特な方のために申し上げておくが、妻は専業主婦。料理は主に彼女の仕事だ)

そんなビストロに再び光が当たる出来事が起こった。

妻が「ビストロ電子レンジ科」に入学するというのである。

これは一大事である。彼女の中で一体何が起こったのか・・・

妻は先ほど学校に向かうため家を出た。学校は新宿にあるという。妻がイケメンご学友達と楽しくキャンパスライフを送るのかと思うと気が気ではない。
いや、冗談はさておき、Panasonicは「既にビストロを購入した人」はもちろん「これからビストロを購入する人」にも、ビストロを使いこなす為の勉強会を実施している。参加費用も¥2,000程度と良心的だ。
企業としては「これから・・・」の方が重要だろうが、「既に・・・」の方も対象としているのが興味深い。
同ブランドの好き嫌いは別として、これは一企業として素晴らしいイベントである。

授業を終えた妻がLINEで「今夜は勉強会で習った料理を作るよ!」と連絡してきた。

僕は今、最新のポルシェ911ターボが風のようにハイウェイを疾走する白昼夢を見ている。
いつも近所のスーパーへのお買い物の用途にしか使われなかったため、エンジンの回転感は渋いが、徐々に本来の調子を取り戻しつつある。
時速200kmを超えた付近から空気が車体を押し戻そうとするが、3.8Lフラット6ツインターボはものともせずに、速度を上げていく・・・

事故らないことを祈るばかりだ・・・



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